Perm

    Perm -パーマ-

    バスキアのパーマは、お客様の髪質・ダメージ度・ご希望のヘアスタイルに合わせて、酸性領域で薬液を用事調整しています。
    しなやかで弾力のあるパーマスタイルをご提供します。
    
    以下、専門的になりますが、2014年に作成した当店の「ヘアケア及びケミカル処理(パーマ・カラー等)を伴う施術に関する考察」から一部抜粋したものです。
    
    
    Consideration in the surgical operation with the Chemical processing such as Permanent wave & Hair color
    パーマーヘアカラー等ケミカル処理を伴う施術においての考察
    Basquiat/Hair chemical
    September 26, 2014
    ヘアケミカル処理における基本的考察
    
    ◆バスキアのヘアケアのキーワードは、
     ケミカル処理過程では「除去」(アルカリ・還元剤・過酸化水素分解)。
     径時的に見た時は「抗う」(抗酸化・抗糖化・抗UV・金属キレート・抗遊離塩素・ヒートプロダクション)とする。
    
    ◆当店が薦めるホームケア商品の選び方について
    
    ・質感向上剤(主にアウトバストリートメント。ホームケア商品も含む)は、お客様が自宅でコテ・アイロン・ホットカラー等高熱器具を使用する場合も考えて、
    
    ・キトサン・セルロース等の高分子多糖(炭水化物)の配合の無い【メイラード反応(糖化反応)への危惧】
    
    ・セタノール等のアルコール類の含有が多くないもの。【アルコールの沸点の低さからくるヒートブリスター※1への危惧】
    
    ・ノンオイル【酸化の問題※2】等に気を付けてセレクト
    
    ※1・・・「アイロン・コテ熱により発生する毛髪ダメージは、いわば毛髪の“やけど”であり、毛髪で豆状のふくらみが破裂するような現象。 毛髪ダメージ大。
    
    ※2・・・オイルに関しては、過酸化脂質に対応する為の抗酸化物の配合が必要と思う。(ヨウ素価の値が70~130の範囲の植物油は毛髪をヘアアイロンの熱ダメージから保護し、優れた感触、またアイロン時の煙の発生抑制を有し特に好ましい。)
    
    ◆パーマ・縮毛矯正・カラー等ケミカル処理を伴う施術において重要なことは、
    ・アルカリ・還元剤による毛髪強度の低下とそれに伴い、還元・酸化時に発生するランチオニン・混合ジスルフィド・システィン酸等を出来るだけ抑えることであり、施術中に保湿・質感向上のための処理は必要無い(最低限の滑り感を確保出来ればいい。)
     代って、必要な中間処理剤としては、加水分解たんばくや保湿成分等の「付加」ではなく、役目を終えたアルカリ・還元剤・酸化剤の「除去」を速やかに行うものが良い。
     (美容メーカーは前・中・処理剤において、付加主体の商品開発が多いように感じる。質感向上・保湿等はケミカル処理が終了後、仕上げ前に付加すればよい。)
    
    ◆アフタートリートメント剤は抗酸化・抗糖化・抗UV ・ 金属キレート・抗遊離塩素・ピートプロダクション・疎水化に優れたもの。
    ・美容メーカーは製品開発において、使用したその時の質感向上(わかりやすい)に主眼を置いて開発をしていると思う。その為にどうしてもシリコーン・カチオン成分による強い吸い付き、アルコール類・糖質による柔軟性、等々に偏っている気がする。
     我々美容師が、パーマーヘアカラー等のケミカル処理において、その場の質感がいいから良いものだと使用する前に、酸化、糖化、UV,キレート、PH、ヒートブロテクション、残留酸化物、等の問題を解決する事を第一に考え、尚且つ径時的な変化も良く考えて使用しなくてはいけない。
    
    パーマ施術においての考察
    
    ◆パーマネントウェーブにおいて弾力のあるカール、ウェーブを表現するのが目的である。
    
    ◆カールはキューティクルでかける。
    ・ダメージを少なく弾力のあるカールを出すには、還元剤はキューティクル付近で作用すれば良いので、ダメージの最大要因であるアルカリは必要ない。酸性域の還元剤が良い。
    
    ◆還元剤はチオグリコール酸のみ使用。髪質・ダメージに対してはpH調整にて対応。
    一昨今、還元剤においてシステアミン・スビエラ等新しいものが多く出てきていて、美容師の間でもそれぞれ色々な角度から研究されている。
    しかし、バスキアでは過去60年以上の歴史があり、感作の面から安全性が高いチオのみを使用する。
     還元剤の中で何か一番優れているかとの議論を、自動車に例えるとA地点からB地点に自動車で行く時に、ガソリン車が良いか、電気自動車か、ディーゼル車か、又、ハイオクかレギュラーか等々を論じているのと同じように感じる。
     A地点からB地点に移動するのに大切なことは、適正時間内に、自分の運転技術で安全に移動できる自動車を選べば良いのであって、これをパーマ行程に当てはめれば、「適切な還元を行うことが目的であって、還元剤は手段である。よって、安全性が高く、操作しやすいものを選択」との点から、還元剤はシンプルに安全性の高いチオのみを使用して、ph調整ですべての髪質に対応する。
    
    ◆パーマ施術において、ダメージの一番大きな影響はアルカリにある。
    ・アルカリについて(データ抜粋)
     チオ濃度等は同じで、pHだけをpH7とpH9に変えた還元剤による毛髪の強度実験データによると、毛髪にかかる負担はpH7とpH9では、約200倍になった、とのデータ。経験上賛同できる。
    一髪の等電点はPH4.5~5.5と言われているが、これはメーカーの便宜上決めた数値であり、実際は、一人の毛髪でも部位に依って、又、1本の毛髪でも根元・中間・毛先ではかなりの差がある、と大手メーカーの研究員の話を聞いたことがある。
    
    ・2012年10月号のフレングランスジャーナルに掲載された資生堂の論文では「毛髪の等電点はpH3.67である。」との記述がある。
    
    ・マルセル(2013.6月号)辻野義雄教授の「pHを本当に理解する」の中にも同様の記述かある。
     ブリーチなどの処理をするとケラチンが酸化され、より酸性化する。
     実験データでは、毛髪の未処理部分pH3.7、ブリーチ部分p H2.7だったと記載されている。
    
    ・上記のデータから、美容界で常識とされている、毛髪の等電点p H4.5~5.5という説はあまりにアバウトであり実際はもっと低いと感じる。
     以上の事から、バスキアでは、還元剤の調整はpH6以下にする。